君と一緒なら
距離

1.噂




 真宙くんと友達になってから約一ヶ月が経った。


 今は昼の休憩。

 教室で桜ちゃんと一緒に弁当を食べている。



 ……って……。

 ……?


 気のせい……だろうか。

 教室の戸から。
 チラッと。
 見られているような……。



「どうしたの? 希空ちゃん」


 視線が気になっている。
 そう思っているから。
 態度に出ているのかもしれない。

 桜ちゃんが不思議そうに私の顔を見ている。


「……気のせいだと思うんだけど……
 教室の戸のところから見られている気がして」


 正直に感じたことを桜ちゃんに話した。


「……確かに……
 こっちの方を見ている気がする」


 桜ちゃんも気になって教室の戸の方をチラッと確認し、そう言った。


「やっぱり、気のせいじゃないんだよね」


 気のせいではない。

 だとしたら、どうして私たちの方を見ているのだろう。


「……もしかして……」


 そう思っていると。
 桜ちゃんが口を開いた。


 もしかして……?

 桜ちゃん、何か心当たりが……?


「……違うかもしれないけど……」


 桜ちゃんはとても話しづらそうにしている。


 桜ちゃんの様子を見ていると、よほどの内容なのかと思い、緊張が走る。


「……噂のことで……かもしれない」


 噂……?

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