行き着く先は・・

••聡吾さんの涙


扉の先には、神父様

その前には、愛する聡吾さん。

ステンドグラスに負けないくらいの
オーラとイケメンぶりに
心臓が音を奏でる

両サイドに分かれて
母と悠人さんにケイト
逆には、ひかりと東さん

本当に大切な人達だけ。

修吾パパは、
「娘を幸せにして欲しい。」
と、言うと
私の手を聡吾さんの腕にのせながら
頭をさげる。
「必ず。」
と、聡吾さんが答えると
修吾パパは、私に向かって
「愛情を与える事が出来なかった
息子ですが、沢山の愛情を
与えて下さい。」
と、私に頭をさげるから
「お父さん、約束します。」
と、頭を下げた。

聡吾さんの瞳からヒラヒラと涙が舞う
私は、背を伸ばして
ハンカチでそっと拭いてあげる。

聡吾さんにも、修吾パパにも
思い出に残るものと
なったはず。

私も嬉しかった。

修吾パパは、母に涙を
拭いてもらっていた。

神父様の前で·····
皆の前で······

これから先もかわることのない
愛を誓った。

誓いのキスは、少し長く
修吾パパから咳払いがおきて
皆から笑われた。

神父様も苦笑い·····

外に出ると
バシャバシャ
ピカッ、ピカッと
シャッターの音やフラッシュの光が
記者から
『Sogoさん、本当に一般の方ですか?』
と、質問がとび
『はい。一般の人です。
妻の顔は、見えないように
お願いします。』
と、伝えると
『それにしても、美しい!』
と、色んな所から声がとぶ
私は、大丈夫かな
と、思っていると
「ほら言っただろ?
希空は、綺麗だし
俺の好きな顔だよ。」
と、耳元で囁くから
真っ赤になっていると
聡吾さんにキスをされて
バシャバシャ、バシャバシャと
いっせいにカメラが動く。

すると、聡吾さんが
『一度、ひきます。』
と、言って私の手を取り
スタッフの待機する部屋へ

私は白無垢に着替える。
頭から綿帽子をかぶり

紺の袴を着た
聡吾さんの元へ

修吾パパと歩く
パパは、
「綺麗だ。本当に綺麗だよ。
私の願いをきいてくれて
ありがとう。」
と、言うから
「母でも、綺麗だと思いますよ。」
と、言うと
「そうだね。」
と、照れていた。

私と修吾パパも写真に撮られた。
〔秋山修吾氏 愛娘とのツーショット〕
と、掲載された。

聡吾さんは、
「いつまで、親父といるの?」
と、私を自分の元に近づけるから
修吾パパは、笑うし
母は、呆れて
記者の方々は、こんな聡吾さんを
みたことないから
騒いでいたが·····
「希空、綺麗だ。
   これが日本の花嫁?」
と、言うから
「はい、そうです。」
と、答えた。

イタリアの記者の方々も
珍しいからか凄く写真を撮られた。

聡吾さんの袴も似合っていたし····

聡吾さんが
『これで、宜しいですか?
本当に妻の顔はのせないで下さいね。
皆さんには、お見せしましたが
私の大切な妻ですので
どうぞ、宜しくお願いします。』
と、頭を下げるから
私も一緒に下げた。

それからは、母やひかり
東さん、悠人さん、ケイトと
写真を撮ったりした。
もちろん、修吾パパとも。

その夜は、8人でお祝いを
パパのレストランの個室で行った。

最後まで、きちんとしていただいた
スタッフの方々にも
お礼を伝えてその場を離れた。

ひかりと東さんの挙式も
間もなくだから
「希空、これる?」
と、心配しながら言うから
「行くよ。絶対に。
お母さん、ケイト大丈夫だよね?」
と、訊くと
ケイトは、
『問題ないよ。』
と、言い
母・茜は、
「ごめんね。
私にも声かけて貰ったのにいけなくて。
希空の店はなんとか
するから大丈夫だけどね。」
と、言いながら聡吾さんを見る母に
「聡吾さん。
行っても良いと言ったよね。」
と、希空。
すると、聡吾さんが
「仕事調整するから。」
と、言うから
「大丈夫だよ。
聡吾さんは、忙しいのだから。」
と、言うと
母から
「無理だと思うよ。
   今の聡吾君では。」
と、言うから

ええっ、と思っていると·····

    次々·····に·····
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