行き着く先は・・

••パパと扉の中へ


今日は、聡吾さんとの挙式の日。

朝からスタッフの方の手で
綺麗にしてもらい
鏡みの中の自分が自分でないみたい。
「びっくりしました。
本当にありがとうございます。
これで聡吾さんと並んでも
少しは大丈夫かと。」
と、お礼を伝えると
「とんでもない。
秋山様は、本当にお綺麗な方で
ご主人様とも、
とってもお似合いですよ。」
一人が言うと皆さんが頷いてくれた。
本当に優しい。
「ありがとうございます。」
社交辞令とわかっていても嬉しい。
と、思っていると
「希空。スタッフの方々が
困っているぞ。」
と、聡吾さんが部屋に入ってきて
「社交辞令とわかっていても
つい、嬉しくて。
ごめんなさい。」
と、聡吾さんに言ってから
スタッフさん達に伝えると
聡吾さんは、肩を上げながら
「私の妻は、自分の事が
あまりわかってなくて。
妻の美しさを引き出してくれて
ありがとうございます。」
と、聡吾さんが言うと
« お二人とも素晴らしい »
と、言ってくれていた。

聡吾さんは、
「希空、綺麗だよ。
      本当に綺麗だ。」
と、言ってくれて
「ありがとう。聡吾さんも
     凄くカッコいい。」
と、私も返した。

ひかりと東さん
母と修吾パパ
ケイトと悠人さんも控え室に来て
聡吾さんと私に挨拶をしてくれた。
ひかりは、
「希空!!本当に綺麗!」
と、大騒ぎ
母からも
「綺麗よ、希空。
   幸せになるのよ。」
「ありがとう、お母さん。
幸せになりますから
お母さんも幸せになってね。」
と、抱き締めあった。

みんなは、教会の中に入り
私は、修吾パパと入り口に立つ
「修吾パパ。
修吾パパに出会ってからずっと
助けてもらい、優しくして頂きました
本当にありがとうございます。
これこらは、聡吾さんと一緒に
歩んで行きます。
私のために、ずっと一人で
頑張ってくれた母を
どうぞ宜しくお願い致します。」
と、頭を下げると
修吾パパは、涙を流して
「もう少し、一緒にいたかった。
だけど、聡吾も大切なんだ
聡吾の事、宜しく頼むね。
なんでも、いつでも相談して。」
と、言うから
修吾パパをそっと抱き締めた。

« お時間になります。 »と、係の方から

   ·····扉が開き····

修吾パパが私の手を自分の腕に
添えて、ポンポンとすると
にっこり笑ってから
「さぁ、行こうか。
聡吾がすごい顔しているから。」
と、言うと前を向いて歩きだす。
< 104 / 116 >

この作品をシェア

pagetop