行き着く先は・・
(三十一)

**おまけ**



妊娠がわかってからと
聡吾さんと修吾パパがうるさい

あれは、ダメ
これは、ダメ
花店は、休めだの

いい加減頭にきて
爆弾が投下した。

ついでに
悠人さんもうるさい

だから、プチ家出をした
母とひかりは、大笑い

聡吾さんは、顔色がなくなるほど
心配するし
修吾パパと悠人さんからは
平謝りされた。

私だって、三人の気持ちが
嬉しくないわけじゃないけど
お母さんは、臨月まで働いていた。

私がお腹にいても
やることが山積みだったから。

私は、そこまでとは言わない。

聡吾さんの心配もわかっているし
この子は、聡吾さんとの
大切な赤ちゃんだから。

八ヶ月入ったら、
お休みを取るつもりで
母ともケイトとも話して
バイトも頼んでいる。

聡吾さんは、
私のプチ家出が終り戻ってから
離れずにずっとくっ付いている。

余程、堪えたようだ。
だから、
「聡吾さんが大好きよ
  だけど、私をもっと信用して。」
と、伝えると
「ごめん、つい。
でも、居なくなるのは、勘弁して欲しい。」
と、言うから
「私も、寂しかった。」
と、聡吾さんの首に手を回すと
そのまま、抱き上げられ
寝室へと運ばれた。

まもなく臨月だから
そっと、抱いてくれた。

少し経った時に
お腹がなんだかおかしい····
お母さんに知らせると
時間をはかるように言われた

激しい痛みではないが
15分おきにやってくると話すと
お母さんが来てくれて
一緒に病院に行く

診察を受けると
子宮口が開いていると言う事で
分娩室へ。
この産婦人科は、日本の先生で
女医さんだ。

分娩室に入ると
聡吾さんもやってきてくれた
「聡吾さん、ありがとう。」
と、言うと
私の手を握りしめてくれた。

実は、聡吾さんは、立ち会い分娩を
嫌がっていた。

だが、私の体から産まれる
我が子を一緒にみて欲しかったから
お願いしたのだ。

私が出産まで苦しむのを見て
とても辛そうにする聡吾さんだが·····

「はい、希空ちゃん
次に波がきたら、頑張ろうね」
と、先生に言われて

きた··きた··きた···

「····う·····っ···んんんんん····つぁ···」

「·····オギャア!··オギャア!」

「ほら、ママとパパだよ。」
と、先生が私の胸の上に
可愛い息子をおいてくれたから
「可愛いね、聡吾さん。」
と、声をかけるが
黙っている聡吾さんを見上げると
涙を沢山ためて息子を見ていた。

「パパに抱っこして貰おうか?」
と、先生が言ってくれて
聡吾さんの腕の中に
そっとおいてくれる
「可愛い?」
と、訊ねると
首を何度も立てにふる。

こんな聡吾さん、初めてみた。

先生から
「では、赤ちゃんは
綺麗にしてもらってから
新生児室に行きますね。
ママは、今から処置があるから
パパさんは、外にいてね。」
と、言うと
赤ちゃんは、看護師さんと出て行くが

聡吾さんは、首を横にふりながら
私から離れない
だから、
「大丈夫。修吾パパとお母さんに
知らせてね。可愛い息子だよって。」
と、言うと辛そうな顔をして
看護師さんに連れられて
出て行く聡吾さんに
先生は、笑いながら
「希空ちゃん、愛されてるね。
沢山お産みてきたけど
奥さんが心配で出ていかないとか
言うケースは、はじめてかも」
と、言うと
スタッフの人達からも笑いがもれた。

私は、処置が終り
病室に運ばれた。

すると、聡吾さんは直ぐにきて
私の手を握り絞めて
「愛してる、希空。
ありがとう、息子を生んでくれて
ごめんな、一人だけ痛い思いをさせて。」
と、言ってくれたから
「ううん、聡吾さんが居てくれたから
嬉しかった。
少し、痛かったけど。」
と、言うとおでこや頬に沢山キスを
された。

後に、修吾パパも
分娩室前で、私の痛そうな声が
聞こえて泣きそうだったと
母にきいて笑ってしまった。

息子は、
青山 健吾(あおやま けんご)君
パパとおじいちゃまと同じ« 吾 »を
つけた名前と聡吾さんが決めた。

修吾パパは、すごく喜んでいた。

ひかりからは、電話がきた。

悠人さんは、パオラさんと
一緒にお祝いにきてくれた。

ケイトもガールフレンドと一緒に

私達は、
赤ちゃんの成長と一緒に
親になっていこうね。
と、話し合っている。

健吾は、祖父母からも
悠人さんやパオラさん
ケイトから可愛がられ
聡吾さんに甘やかされて
大切に大事に育てられている。

聡吾さんは、家族といたいからと
モデルを引退して
修吾パパの仕事を手伝い始めた。


健吾が2歳になるとき
女の子が生まれた。

青山 希(あおやま のぞみ)ちゃん。
これも聡吾さんが考えた。

« 希空 »の字をいれたいと。


健吾も希も、綺麗な顔だちをしている
聡吾さん似かな······



私と聡吾さんは、
子育てを奮闘しながら
笑いあり、幸せいっぱいの
家庭を家族を作って行きたいと
頑張っています。

**ちょっとだけ、おまけでした**
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