行き着く先は・・

••もう、止めるよ


加瀬君が詳細の確認にきたとき
「課長体調悪いとのことで
お休みすると早瀬さんが言ってましたが
大丈夫ですか?」
「そうなの。昨日母に呼ばれて
会ってないから
教えてくれてありがとう。」
と、言うと
加瀬君は、
「お大事に。」
と、言って自分の部署に戻って行った。

やはり社内恋愛は、
色々難しいな····
と、思いながら
バタバタ仕事を片付けて
少し遅くなったが悠人さんの
マンションに向かうと
タクシーがとまり
中から女性に抱えられながら
悠人さんが出てきた。

女性は·····元の····奥さん····だ。

「課長?」
と、声に出てしまい
「会社の方?」
と、奥さんに訊ねられたから

悠人さんの元部下で
体調が悪いと聞いたので
と、伝えた。

元部下がなぜ?
と思われたかもしれないが

奥さんは、
風邪をひくと毎回こうなるから
病院の点滴が一番効果があると
言ってマンションに入って行く

マンションのセキュリティを
簡単に解除して
入っていく····奥さん····

何度も来たことがある····
いや·····
ここで暮らしていた?
そこに····私を·····

悠人さんの全てが不明で
わからなくなっていた。

そのまま
ひかりの家に帰り
ひかりに今日の話をして
「·····もう·····やめるよ。
こんなことなら社内恋愛とか
しなければ、良かった····」
と、伝えると
「いいの?話し合いもしなくて。」
と、心配して訊ねるひかりに
「話すと言うか、指輪とか
返さない····と····ね。」
と、言うと
ひかりは、つらそうな顔をして
「······の····あ··」
「ごめんね、ひかり。
心配かけて、さぁ、ご飯食べよう」
と、言った。
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