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(二十二)

••正樹の幸せと悠人の失意


正樹は、今日結婚式を挙げる
希空にもLINEで知らせた。
代わりに川崎(ひかり)からお祝いを
届けて貰った。

希空は、イタリアで花店を
頑張っていると
写真も川崎から見せて貰った。
花に負けずに綺麗な希空だった。

帰りに川崎から
「お幸せに!!」
と、言われて
「ありがとう。
希空も川崎も幸せになれ。」
と、返した。

俺の嫁さんは、決して人目引く
美人ではない
だけど、くるくる変わる表情や
人に対して優しいところが好きだ。

彼女とならずっと幸せで
いられると思いプロポーズをした。

だから、希空も早くそういう人を
見つけて幸せになれ。
それだけが、俺の心残りで願いだった。


一方、悠人は······

いすずと一緒に暮らしているが
なぜか、いつも一人ぼっちで
寂しさだけが募っていた。

昔と違うから
きっと今度は大丈夫
それは、どこからきた
自信だったのだろうか?

いすずは、俺と再び一緒に
暮らして幸せなんだろうか?
疑問ばかり浮かぶ

今日もいすずは、出張でいない。
俺は、食事をしながら
一人で飲みにでていた。

その時に女性にぶつかった。

謝ってきたのが、希空だとわかり
飲んでいる頭で希空の
幸せだった時間がたくさん頭の中で
過って行った。

今ここで希空の手を離したら
ダメだと思い
希空と一緒にいた男から
希空を取ろうとしたら
別の男性から腕を捻られ
希空から遠ざけられた。

ドンと尻餅を付きながら
自分が情けなくて
たまらなかった。

あんなに愛していたのに
愛されてもいたのに
なぜ·····
希空でなく······
いすずを·····選んだのだろう····

自分の両親からも
見限りをつけられ
会社からも左遷された。

俺が仕出かした事への罰だ。

だが······
やはり······いすずとは無理なんだと
わかった。

もう、一切の関係を断ち
友人にも戻らない
その事をいすずが
戻ったら話そうと思った。
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