行き着く先は・・

••一人が楽


聡吾は、修吾に追いたてられて
希空の店から離れた。

修吾に言われた言葉が
ぐるぐると回る

モデルでも妻や恋人だけを
大切に大事にしている人はいる

誰でも彼でもにキスしたり
抱き締めたりする事は?
おかしい·····?·····

俺は、おかしいのか?

モデルの仲間でも
飲みに行った時でも
キスもハグもする
身体の関係がなくても·····

恋人を····
好きな人だけを····
思い···考える·····

そんなことが
俺にできるのか·····
人に執着したことのない
俺が······


何でも言って欲しいと
希空に言ったが
連絡さえもしていない
忙しいのもあったが
希空からも何も言われなかった

やはり、一人で気ままに生きて
行った方が良いのか
楽なのではないか
と、考えていた。

それからは、
また、仕事とだらだらとした私生活を
送っていた。

そんな生活が
ひと月····ふた月が過ぎて行き·····

ある日····· 
イタリアのテレビに
茜さんの生けた花や
希空の花屋が写し出された。

その時に
希空が笑いながら
話している男が写し出された
あれは?
と、思うが······
男は、照れたように
頭をかいていた。

胸が傷んだ。
希空の笑顔····に·······

あんな顔を····

 向けて······もらう事は····

   もう····ない···の··だろうか······
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