IRIS
あとは正面の警備をとっぱするだけだ。
ここからが正念場だ。

僕は覚悟を決めて正面突破しようとしたその時。

ガーッ

館内放送から父さんの声が流れてきた。

「全職員につぐ。少年を通してやれ。責任は私がとる。
繰り返す。少年を通してやれ。」


「父さん?。」

マイクの前で話す父に研究員が話しかける。
「貴重な被験体なのによろしいのですか?」


「いい。今はこれでな。どうせ居場所はわかる
当分はこれで様子を見てみよう。」

僕はあまりにあっけなく通してもらい呆気にとられていた。

安心感と疲労感でどっと疲れがでた。
落ち着いて考えてみると我ながら大胆なことをした。
警備が万全なビルに一人で準備なく飛び込み人質を解放し無事に帰って来たのだ。


「お兄ちゃん?考え事?」
その声にハッと我にかえる。


「うん。やっぱり名前がないとなって。
お前元々の名前ってないのか?」

「うーん、元々の名前って言われても愛ってことしかわからないんだよね。」

「なんだよそれ。記憶喪失か。」


「そんなようなものかな。じゃあお兄ちゃんがつけてよ。愛って呼ぶの嫌なんでしょ。」

「まぁ、嫌ってわけじゃないんだけど。」

僕はすこし考えた。

背中でうきうきしながらまっている妹の姿をしたこいつにどんな名前をつけてあげられるだろうか。

「そうだ。アイリス。」

「アイリス?」

「そう。お前は愛じゃない。でも愛でもある。そして僕の妹だ。昔アヤメの花をプレゼントしたろ。それを押し花のしおりにして愛は宇宙に飛ばしたんだ。
憶えてないか?
でもお前は宇宙人だからアヤメじゃなくて英語名のアイリス。
よくない?」


「しおり、アイリス、うん。いい名前。気に入った。
外人さんみたいだし格好いいかも。」

そういって宇宙人、いやアイリスは笑った。

「ありがとうお兄ちゃん」

「だから兄ちゃんって呼ぶなよな。」

「じゃあヒロ。」

「呼び捨てかよ!」

「ありますがとう。ヒロ。」

二人は笑いながら家へ帰った。



おわり
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