結婚から始めましょう。
ー数日後ー

蓮の同席のもと、真人と黒田に会う機会を設けた。2人ともすっかり憑物が落ちたような穏やかな表情をしている。

「桃香さん、ひどいことを言ってしまってすまなかった。それから蓮も。これまで辛く当たってきたこと、本当に悪かったと思ってる。すまなかった」

「もう大丈夫ですから。顔を上げてください」

そう応える私の横で、蓮も頷く。

「私も、桃香さん達が自由に結婚したことが羨ましくて、妬ましくて……何も悪くない桃香さんに、ひどいことを言いました。ごめんなさい」

あの時は確かにひどく傷付いて、精神的にも追い詰められた。
でも2人の置かれた境遇を聞いて、責めることなんてできないと思った。
追い詰められていたのは私だけじゃない。目の前にいる2人もまた、苦しんでいたのだ。

「大丈夫です。蓮さんがいつも味方でいてくれるから。
それよりも、ご婚約おめでとうございます」

その言葉に、真人も黒田もやっと表情を和らげた。






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