結婚から始めましょう。
「もう一度、誰かのことを信じるのは怖いことかもしれません」

純也が何かに気付いたようにハッとした。
間違いない。この人は人を信じることが怖くなっているのだ。

隣に座る南田は、そんな純也の様子にホッとしたのか静かに見守っている。

「……そうかも、しれませんね」

ポツリポツリと純也が話し出した。

「私はあなたのおっしゃる通り、女性を信じることが怖いのかもしれません」

「決して、そんな人ばかりじゃないはずです。純也さんが納得できるまで、責任を持ってお付き合いさせていただきます」

「はあ……」

否定の言葉が出なかったことに安堵する。

「あなたが本当に信頼できる方を、全力で探させていただきます」

少しずつ、純也が考え出してくれていることが伝わってくる。

「不満があれば跳ね除けていただいてもかまいません。試しに一度というのでもかまいません。私共に、純也さんのお手伝いをさせていただけないでしょうか?」

「そ、そこまで言うのなら……」

「ありがとうございます」

よかった。受け入れてくれた。




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