触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
告白されました。
ーーまたやっちまったぜ。
「SARASA」を出て心のなかで愚痴ってみる。
良い歳の女が失恋ごときでかっこ悪い。
頭のなかではそう思うのに、心がついていかない。
喪失感がすごい。
たった半年一緒にいただけなのに。
酔いが一瞬で覚めてしまいそうな冷たい風が首を掠める。
マフラー、してくればよかったな。
いくら10月といえど、夜は冷える。
駅に向かって歩こうと足を一歩前に出すと、後ろで「SARASA」のドアが開いた。
磨りガラスとぶつかって夜の繁華街に細かい鈴の音が響く。
「あ、よかった、ミカさん」
振り向くとドアに手をかけた澪ちゃんがいた。
「スマホ、忘れてましたよ」
「はい」と見慣れた自分のスマホを手渡される。
カウンターに置きっぱなしにしていたのだろうか、気づかなかった。
「ありがとう、ごめんね」
受け取ったスマホをバッグにしまう。
「大丈夫ですか?」
澪ちゃんがまた、私の頭を撫でた。
身長が低いから撫でやすいのだろうか。
サラサさんと同じように、いつも私のワンパターンな失恋話を聞いて慰めてくれる。
「SARASA」を出て心のなかで愚痴ってみる。
良い歳の女が失恋ごときでかっこ悪い。
頭のなかではそう思うのに、心がついていかない。
喪失感がすごい。
たった半年一緒にいただけなのに。
酔いが一瞬で覚めてしまいそうな冷たい風が首を掠める。
マフラー、してくればよかったな。
いくら10月といえど、夜は冷える。
駅に向かって歩こうと足を一歩前に出すと、後ろで「SARASA」のドアが開いた。
磨りガラスとぶつかって夜の繁華街に細かい鈴の音が響く。
「あ、よかった、ミカさん」
振り向くとドアに手をかけた澪ちゃんがいた。
「スマホ、忘れてましたよ」
「はい」と見慣れた自分のスマホを手渡される。
カウンターに置きっぱなしにしていたのだろうか、気づかなかった。
「ありがとう、ごめんね」
受け取ったスマホをバッグにしまう。
「大丈夫ですか?」
澪ちゃんがまた、私の頭を撫でた。
身長が低いから撫でやすいのだろうか。
サラサさんと同じように、いつも私のワンパターンな失恋話を聞いて慰めてくれる。