線香花火が落ちたキミ


成人をとっくに過ぎてる男が、

一人寂しく花火をしている姿は、とても滑稽だろうなと思いながら、


次々に火をつける。


バケツがないので、飲み終わった缶ビールに終わった花火を入れていた。


パチパチと色鮮やかに光る花火に、


昨年や一昨年、彼女と花火をしていた事を思い出していた。


線香花火が一番好き。


と言う彼女は、最後に線香花火を残していた。


その名残だろうか、


最後に残っていたのは線香花火だった。
< 18 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop