今日から不良王子と同居します。
「う、うん」


ふとスマホを確認したら少し前に彼からのメッセージを着信していたみたい。
全然気が付かなかった。


【早く着いたから音葉さんの学校まで迎えに行ってあげるよ】


いけない、タピオカ店のホームページに夢中になっていたから。


私達は3階の教室から走って階段を駆け下りて行った。


普段は優雅にエレベーターを使うんだけど今は時間がない。


生徒玄関に着くと、急いで外靴に履き替えた。


正門付近ではいつものようにたくさんのお迎えの車が駐車されていた。


正門の壁を背にして立っている玲生くんは、女子生徒達に取り囲まれているみたいだ。


どうしよう、凄い騒ぎになってしまってるみたい。


きっと彼だってこんなにたくさんの女子が押し寄せてきて困っているだろう。


あの容姿だから、ミーハーな女の子達が放っておくわけないよね。


一刻も早く助けてあげないと、って焦って人込みをかき分けた。


「すみません、すみません、通してください」

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