今日から不良王子と同居します。
なんだ、いいんだ。でも、どっちでもってどういうことなんだろ。


焦って別の話題を考えていたけど、彼ももうこの話はしたくなさそう。


それくらい照れているってことなのかな。


ふう、ちょっと助かったかも。


すると、突然後ろからおーいっていう聞き覚えのある声がした。


「あっ……」


振り返ると、直政くんが息せき切ってこちらへ駆けてきていたからびっくりした。


「直政くん、すごい汗だよ。大丈夫?」


私達の前で立ち留まった彼は息を整えてからようやく話し出した。


「ああ、このくらい大丈夫。音葉、今日は迎えの車がこないんだって?」


「うん、だから歩いて帰ってたの」


「そんなの俺に言ってくれたらよかったのに、うちの車で送るよ」


「だって直政くん忙しそうだったし」


彼は今日の放課後、図書室で調べものがあるからって言ってたのであえてそのことは相談しなかったんだ。

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