今日から不良王子と同居します。
玲生くん VS 直政くん
駅に向かって3分ほど歩いたところで、それまで黙りこくっていた玲生くんが不満げにぽつりとつぶやいた。
「女ってこわいよな、人のことネタにして楽しんでるんだから」
「え、違うったら。そんなんじゃないよ」
「いたいけな年下男子をなんだとおもってんだよ」
どこがいたいけ、なんだろ。
2歳年上の私のことをしょっちゅうからかって遊んでるくせに。
「人の気も知らないでさ」
拗ねたようにこぼす彼。
うっすらピンク色に染まった頬が可愛いって言ったらきっと怒るんだろうな。
「え、な、なに?」
「ほんとに女ってわからないよな。あんな風に言われたら手を出してほしいみたいじゃん、音葉さん」
「えっ、あっ、その話ね。まさかっ、あれは明日香ちゃんが勝手に言ってるだけで私は知らないよ」
苦しい言い訳をしながら、胸がドキドキしていた。
なんとかごまかしたいんだけど、ここは無理やりに話をかえてしまおうかな。
「ま、別にどっちでもいいけど」