今日から不良王子と同居します。
「俺は真剣に音葉のことが好きなんだ。あんな薄っぺらい奴とは違う」


「えっ」


好きって、好きって言ったの？私のことを？


「でも、私達、幼なじみで」


明日香ちゃんと、直政くん、私、いつも３人一緒の仲のいい幼なじみでずっと友達だった。


そこに恋愛感情なんて、ないと思ってた。


「違う、ただの幼なじみなんかじゃない。ずっと君のことが1人の女性として好きだったんだ。だから君の父上にお願いして婚約させてもらった」


彼は真っ直ぐに私を見つめて真剣に告げる。


彼が私のことを好きだって言った。


雷に打たれたように、ドキッとして背筋が伸びる。


「直政くん」


「音葉、ちゃんと将来のことを考えて。
俺は君のことをずっと前から好きだったんだ。
いきなり出てきたあんな奴なんかに負けないくらい君のことが好きなんだ」


直政くんの瞳は熱を帯びていて、彼の真剣さが痛いほど伝わる。


少しづつ距離をつめられて、少しだけ身じろぎした。


車の中だから、逃げ場がない。



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