今日から不良王子と同居します。
そっか、と言って明日香ちゃんは小さく息を吐いた。


「でも、私はずっと前から気が付いてたよ」


「えっ、そうなの？明日香ちゃん、どうして言ってくれなかったの？」


「だってそんなの直政と音葉の問題だし私が口を挟むのおかしいじゃん」


「それは、そうだけど……」


いつも3人一緒だって思っていたけど、こと結婚に関しては違うんだ。


明日香ちゃんなりに私たちのことを見守ってくれていたのかな。


「音葉は直政が嫌い？」


「まさか、嫌いじゃないよ」


「じゃあ好き？」


「……うん。でも恋愛感情とは多分違うかな」


「どうして恋愛感情じゃないってわかるの？」


「それは、なんとなく。だって、小さいころから知ってるしなんていうかお兄さんみたいな感じで……」


どうしてわかるのかと聞かれても困るけど。


だって、彼といるとき穏やかな優しさに包まれているみたいに安心するから。


まるで、暖かい毛布にでもくるまれてるみたいに。彼はそんなひと。


そして私よりも一歩も二歩も遠く先を歩いているような気がしていて。

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