今日から不良王子と同居します。
「出て行くなんて言わないで、玲生くんがいたいだけここにいてくれていいんだよ」


私はきっぱりと言って彼に微笑んでいた。


彼をこの家から追い出したりなんてしない。彼がここにいたいという限りは好きなだけいさせてあげたい。


そのことだけは、直政くんにどんなにきつく言われても従わない。


私にだってそのくらいのことはできるはず。


どうしてかな。


結婚よりもそのことの方がずっとずっと。


今の私には重要で。


守りたいものだから。


君と少しでも長く過ごすこの時間だけは、まだどうしても手放したくない。


いいよね。少しくらいわがまま言っても。


もう、それ以上は望まないから。



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