今日から不良王子と同居します。



その日の夜、いつものように玲生くんの部屋に行き、お兄さんからの伝言をそのまま伝えた。


彼は黙って聞いていたけれど、あからさまにうんざりした顔をした。


「母親の誕生日パーティーって。毎年派手にやってるけどいくつになると思ってるんだろう、もういい年なのに……」


あららー。


早速彼は悪態をついている。


「俺が行かなくても大丈夫だよ。毎年たくさん客がくるから。音葉さん断っといて」


「でも、他にどんなにたくさんのお客さんが来たって、息子がお祝いしてくれなきゃ寂しいと思うよ」


机の椅子に座っていた彼は面倒くさそうにあくびをしてベッドにゴロンと横になった。


「いいんだよ、別に」


私も彼の傍らに腰を下ろした。


「だめだよ、ひとつ年を重ねるお祝いなんだから」


「だから、もう祝ってもらうような年じゃないんだから」


どうでもよさそうに言ったかと思うと背中まである私のウェーブのかかった髪の毛の先っぽを触ってくる彼。

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