今日から不良王子と同居します。
どうやら玲生くんのことを本気で心配しているみたい。


だから私にはますますわからなくなってしまう。


ひどい言葉を投げつけられたとしても、いったいどうしてこんなにもかたくなに玲生くんは電話にすら出たがらないのかなって。


ちょっと意地になってたりするのかな。


「わかりました。ただ来週は母の誕生日パーティーがあるんです。
母も楽しみにしていますし、玲生に出席するように伝えてもらえませんか?
僕とは話さなくても、母にだけは一言祝いの言葉をかけてやって欲しいんです」


「え、お母さまの誕生日パーティーですか。そうですか、それなら必ず伝えますね」


そっか、お母さんのお誕生会があるんだ。


玲生くんとお兄さんの間になにがあったかはわからないけど、母親の誕生日くらい顔を見せてあげて欲しいな。


しばらく、親御さんに会っていないんだし、そろそろいい機会なんじゃないかな。


彼のお兄さんからこんな風にお願いされたので、私はすぐに彼に伝えることにした。

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