今日から不良王子と同居します。
その人達が玲生くんのタキシードやらなにやらをすべて準備してくれて、おまけに専属の美容師さんが彼の髪もセットしてくれた。


彼らは玲生くんの支度を整え終わると風のように去って行った。


その訓練されたようなテキパキとした動きには唖然としてしまい。


ばあやだって、ぽかんと口を開けていたほど。


『神崎の使用人の方々にくらべたらうちのものが、のんびりと仕事をしているようで恥ずかしゅうございました』


『まあまあ、ばあや、うちだってみんな頑張ってくれてるじゃない』


とはいえ、玲生くんはとっくに支度が出来ていたのに私の方の準備がなかなか終わらなくてパーティーに遅刻する羽目になってしまったのだけど。


彼は私が髪を巻いたり、お化粧を施されるところをニコニコしながら眺めていた。
 

たまに、ここはもっとこうしたら?とかアドバイスしてくれたり、チークの色や口紅の色を選んでくれたりもしていた。

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