今日から不良王子と同居します。
「あっ、うんわかった。私そんなにみてなかったから大丈夫だよ」


慌てておかしなフォローをする。


そんなこと全然気にすることなんてないのに。


でも、そういうことを気にするあたりがなんだか愛しくてたまらなくなる。


「でも、お兄さんとちゃんと話し合えたんだしよかったよ。
これからはなんでもふたりで相談してご両親を説得していこうってことになったんだし」


「うん、俺は今まで通り兄を差し置いて神崎家の跡取りになる気なんてないから。
浅はかな考えで、俺が家を出て行ったことが兄に負担をかけちゃうのはやっぱ違うよなって思った」


「うん、お兄さんはほんとに玲生くんのことが好きなんだもん。お互い、あんなに強く思いあってるんだからこれからはいい方向へ行くと思うな」


「音葉さんのおかげだよ」


彼は優しくそう言って私のことを眩しそうに見つめる。


「そんなことないよ」
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