今日から不良王子と同居します。
ボソッと呟く彼。


星之坂工業高校か、聞いたことがないな。うちから遠いのかな?


運転手の川本さんにそう告げて私の高校へ行く前にそちらへ寄ってもらうおうとした。


「星之坂工業ですか……。あの辺りはガラの悪い学生が多くて車が傷つけられないか心配です」


だけど川本さんは高校の名前を聞いた途端、顔をしかめた。


ガラが悪いってどういうことかな。


玲生くんを見る限り、それはあまり当てはまらない気がするけど。


神崎家の子息の彼のような人が通う高校なら
私立のお坊ちゃん高校じゃないのかな。


星之坂工業高校は聞いたことがないから多分新設された学校なのかも。


「そんなこと言わずにお願いします」


「はぁ、お嬢様の仰せとあらば」


どうしてもとお願いして川本さんには渋々オッケーしてもらえた。


車の後部座席にふたりで座ると、彼はふわっとあくびをする。


「こんな高級車で送り迎えか。さすがは大河内家のお嬢様だね。運動不足にならないの?」


「大丈夫です時々お庭をお散歩をしていますから」
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