今日から不良王子と同居します。
こんな時にさえときめいてしまう自分の心が情けない。


泣きだしそうな私が、玲生くんと一瞬目が合う。


その時、動揺したように彼の青い瞳が揺れたように見えた。


お互いに気まずくて、すぐに目をそらせてしまう。


こんな形で、再会したくなんてなかったよ。


ああでも、もうだめだ、手遅れだ。


この流れからして直政くんと玲生くん、ふたりが対決するのはもう避けられない気がした。


直政くんは玲生くんに話をするだけって言っていたけれど、そんな雰囲気ではとっくにない。


きっともう私達にも、誰にも止めることはできない。


「おーい玲生こっちこっち、なんとかしろ」


蒼汰くんが飛びはねながら、両手を上げている。


私達のもとまで走ってきた彼は、直政くんの前で立ち止まる。


玲生くんはまず一番先に、直政くんにむかって口をひらいた。


「直政さん、これはどういうことですか?俺のダチを随分かわいがってくれたみたいだけど」


彼は感情を爆発させまいと我慢しているような落ち着いた話し方だった。

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