今日から不良王子と同居します。
そんな彼を見たら、胸の奥がズキって傷んでたまらない気持ちになる。


今すぐに追いかけて、ごめんなさいって何度も何度も謝りたかった。


だけど声に出せなくてその場から動くこともできない。


直政くんのことを私なりに大切に想っていたのは本当。


こんな風に彼を傷つけたくなんてなかった。


それが、凄く悲しいのに彼を追いかけることはもう私にはできなかった。


「音葉、今はそっとしておいてあげて。大丈夫だよ、直政のことは私に任せて」


「明日香ちゃん」


「しょうがないから、私が直政のそばについててあげる。
あいつが私のことを見てなくても構わない」


そういった明日香ちゃんの意志は強くて、いつにも増して綺麗だなっておもった。


もしかしたら、明日香ちゃんは直政くんに恋をしているのかな。


いつからかはわかないけれど、多分彼女自身も最近になって気が付いたのかも。


私はコクンとうなずいた。

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