今日から不良王子と同居します。
甘すぎない彼女の顔立ちは内面からあふれる自信に満ちた華やかさがある。


テニス部のエースで下級生の女子達から絶大な人気がある。


どうやら密かにファンクラブまでつくられているらしい。


「おい、そこの女子二人、なにやってんの?地味にいかがわしいんだけど。」


からかうような低音ボイスが聞こえて振り返った。


「直政(なおまさ)くん」


同じクラスの桐生直政(きりゅうなおまさ)くんは、私のもう一人の幼なじみ。


有名な政治家を父に持つ彼は、成績優秀で品行方正、学園の生徒会長を2期務め、誰からも信頼される温厚でそれでいて冷静沈着な性格だ。


身長が185センチと高くてわりとガッシリとした体系は、剣道で鍛えあげられたもの。


顔立ちは柔和な雰囲気の美形。まさに非の打ちどころのない御曹司って感じで学校中の女子達からも人気が高い。


実をいうと、彼と私は親同士がうちうちに決めた婚約者でもある。


まだ正式に決まったわけではなくて、お父様から、いずれ大人になって私達の意志でどうするか最終的に決断すればいいと言われていた。

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