今日から不良王子と同居します。
うちの学校は自由な校風で知られていて、生徒の自主性を重んじている。


生徒達も良家の子息だけではなくて全国から成績優秀な特待生も入学してきている。


言うまでもなく玲生くんの高校にいた生徒達のような人なんて1人もいない。


彼らに比べたら、ここの生徒達はウサギのようにおとなしく真面目。


はっきり言って平和そのもの。


この世界しか見てこなかったからこれが当然だと思っていたけれど、やっぱり私は世間知らずなのかも。


「音葉、なにがあったの?」


「明日香ちゃーん」


明日香ちゃんは私の頭をヨシヨシと何回も撫でてくれた。


私も彼女にギューッと抱き着いた。


彼女からは爽やかなベリーの香りがして心地いい。


白鳥明日香(しらとりあすか)ちゃんは幼稚園からの幼なじみで親友。


彼女は太陽みたいに明るくて活発。のんびりやの私と違って頭がいいしテキパキしていてなにをするにもリードしてくれるタイプ。


大手化粧品メーカーの創業者の一人娘で、ゆくゆくは後を継ぐ準備をしているらしい。


ショートカットに茶色い大きな瞳のカッコいい雰囲気の美人。

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