俺の宝物は、お前の笑顔。
あたしは、保健委員の人に絆創膏を貼ってもらい、しばらくぼうっとしてしまった。
近くにもう高畑くんの姿はない。
「ゆりあ! 大丈夫?」
小走りで愛菜があたしに駆け寄り、肩に手を置いた。
気がつくと、もう競技は終わっていてみんなは水筒の中を飲んだりしていた。
「う、うん……」
「ゆりあ……」
「さっきさ……高畑くん……」
「うん……」
愛菜もあのことはよほど不思議がったのか、深刻そうな顔で頷いた。
さっきの出来事は、一瞬で終わったけれど確かに高畑くんの手の感触があった。
あたしは確かに、転んだ後に高畑くんに手を握られた。
あたしは確かに、高畑くんにここまで連れてきてもらっていた。