俺の宝物は、お前の笑顔。

ランニングシューズの缶バッジを買った後に、みんなと別れ、あたしは家に帰った。



「ただいまー」



「あら、ゆりあ。おかえりー」



あたしがリビングの方へ足をすすめると、ママが洗濯機を回していた。



「映画どうだった? 愛菜ちゃんも一緒だったんでしょ?」



「う、うん。楽しかったよ」



「愛菜ちゃん達と一緒、とか言ってたけど、何人くらいで行ったの?」



「えっと、4人、だよ?」



「あらぁ〜、大人数ね。みんな女の子?」



「いや、2人は男子で……」



あたしがそう言うと、ママは表情をピクリと動かした。



「女の子2人と男の子2人で映画行くだなんていいわね〜、ダブルデートじゃない!」



……はぁ!?


ママの発言を聞いて、あたしの頭はプシューっと沸騰した。


だ、ダブルデート?


いやいやいや、違う! 違うって!
確かに、運動会の時に転んだあたしを保健委員の人のところまで連れてきてくれたことに関しては好感は持てたけど、それとこれとはまた別だよ!



「ま、ママ!?」



ママの顔を見ると、目を輝かせて頬は真っ赤。
口元はぐにゃりと歪んでいた。



「いいじゃな〜い、ゆりあ、これが初デートじゃないの!?」




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