死にたがり屋の少女は暴走族と・・・
まぁ、璃羽都にとっては深い意味なんてないと思うけど…嬉しい。


「うん!」


「璃羽都、ここに連れてきてくれてありがと!!」


「っ…お、おう!!」


それから夕日が沈むのをベンチに座って静かに眺めていると


「俺と未雨が出会ったのもここみたいに高いとこだったよな。」


「…うん。」


「あの時は驚いたんだぜ?昨夜泊めた奴が飛び降りようとしてるもんだから。」


「あはは…。あの時はどうしても死にたかったんだよね。」


「私もビックリしたんだよ?あそこに人が来ると思ってなかったから。」


出会った頃のときの話をお互い語り合った。


「私…あの時、璃羽都に出会えてよかった。だから、今の私がいるんだと思う。」


「結局、璃羽都が言った通りになったね。」


「ん?俺が言った通り?」


そう。璃羽都が言った通り。


あの時、全然信じてなかった。


「私に『俺がお前の人生楽しくしてやる。死にたくないって思わせてやる。』って言ったじゃん?」


「絶対にそんなことにならない。なんて思ってたけど、今は死にたくないって思うんだ。」


「生きたいって」


そう言って私は璃羽都を見てニコッと笑う。


「未雨…お前、ほんとに変わったな」


璃羽都…


昔だったら、その言葉の意味がよくわからなかった。


でも、今ならわかる。


自信を持って言える。私は変わったって。


そう思えるのも全て…


「璃羽都のおかげだよ。」


「璃羽都が変えてくれたんだよ?」


「私、璃羽都に感謝してる。私だけじゃない。咲夜や普、詩雨だってそう。」


咲夜と普は家族と居れて、私は詩雨と一緒に居ることができてる。


「璃羽都、本当に」


ありがとう。と言おうとしたのに、璃羽都は私の口に手を当て


「続きの言葉は全て終わってから言ってくれ。」


「それに、俺も未雨に感謝してる。」


璃羽都はそう言うと手を私の口から離した。
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