死にたがり屋の少女は暴走族と・・・Ⅰ
「そろそろだと思ってたよ。」


「その顔…俺と会えて嬉しくねぇーのか?」


嬉しい?


何とも思ってないよ。


「俺は嬉しいんだかなぁ。」


「お前がまだ死んでなくて。」


やっぱり会わなければ良かった…。


まぁ、コイツ、有村 霖也(ありむら りんや)の事だから会わなければ私を探しに来ると思うけど…。


「ってか、今までお前どこに居たんだよ。家にも帰って来ねぇーし」


「…」


「お前、家に帰って来なかったから死んじまったと思ったよ。」


っ…。


死にたかったよ。


アンタに会う前に。


「…なんでそこまでするの?」


「アンタは、私に死んで欲しいんでしょ?」


「それに…。私だって早く死にたいの。邪魔しないで。」


なんで…


「死んで欲しい?俺はそんなこと言った覚えは無いが?」


はぁ?


「俺はまだまだ遊び足りねぇーんだよ。」


「使えるもんは最後まで使わねぇーとなぁ。」


「勝手に死ぬなよ?俺のおもちゃ…」


アンタの…おもちゃ…ね。


アンタの物になった覚えはないけど…。


「ほら。行くぞ。」


「どこに…」


「どこ?そんなの分かってんだろ?」


「…」


「これが終わったらお前を自由にしてやるよ。」


自由?


私は自由なんて求めてない。


「次は何をするの。」


「見てからのお楽しみだ。」


「…」


一体、何がしたいの?


私をどうする気?
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