愛は惜しみなく与う⑦

「お前は俺を殺す勢いで来たんだろ?いいのか?そんな目で俺を見て。何を聞いても、何を見ても、否定し続けろよ。
そうじゃないと……お前を…傷つけれないだろ」


なんでそんな悲しそうな顔をするん?

なんでそんな泣きそうな顔をするん?

こうやってちゃんと話せば、サトルは心を傾けてくれる人なん?


遅すぎるよ


「お前が泣きそうな顔するなよ。俺は本気で、お前を守りにきた男達を殺すよ?お前がやめてって言っても……杏を手に居れるためならそうするよ」

「違う!なんでなん!もしみんなを傷つけたとしても、あたしは手に入らへん!!!それくらい分かるやろ?」


「分からないから、やってみるんだろ?」


違うよ。もうやってるよ
誰かを傷つけても人の心は手に入らへんことは……知ってるはずやろ?



「鈴は?鈴を傷つけたとき、あたしは手に入ったか?」


あたしの顔を見てただただ黙るサトル



「あれであたしは傷ついてないと思うんか?人を傷つけても、誰かの心が手にはいらへんのは……サトル


あんたももう、分かってるはずやろ?」
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