愛は惜しみなく与う⑦
「なんなら、私と結婚でもしますか?」


……へ?

「何ゆうてんの」

「ちっとも動揺しないんですね」

「いや、うん。なんかちょっと前なら本気っぽくて、面倒やなって思ったけど、今はもうちゃうやん?」


面倒ってストレートすぎますと苦笑い。
最近の志木は、恋愛感が全くない。昔はちょっと危なかったけどさ?

最近はほんまに家族として、1番そばで支えてくれてた。


「まぁそうですね。私じゃなくても、貴方が早く嫁に行けば、なんの心配もなくなるんですけどね」


「よ、よ、よめ!?!?」


最近まで結婚なんかさせへんって感じやったやん!あたしの将来の夢のお嫁さんってやつも、やめろってゆうてたのに。


「あたし結婚していいの?」

「何を言ってるんですが。ダメなんていったことありませんよ。」

「いや、でも、なんか人と付き合うのもまだ早いとか…ゆうてたやん」


そういう機会がなかったから、特に気にならへんかったけど…

杏様にはまだ早いと、志木に言われ続けてたから。
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