愛は惜しみなく与う⑦
一緒に仇を取ると、隣に並んでくれてありがとう。

そしてそのあと、久しぶりに沢山他愛もない話をした。


あたしはついさっきまで、生死を彷徨ってたらしいけど、そんな感じも全くなく。
体は痛いけど、口は元気。


「あんた、ほんとに不死身なの?さっきまで心臓止まりかけてたのよ?」

「いやーほんまにな。実感ないけどな?むしろ今、お腹空きすぎて何か食べたい」

「元気ならええけど…どれくらいで治るんやろ?」

「全治2ヶ月くらいですかね?ってことは、杏様なら1ヶ月もあれば治るかと」

「あたしを何やと思ってんねん」


はぁ
そんな強かったらここまで怪我してへん。まぁここまでの怪我で済んだのは、あたしの頑丈さのおかげやろうけどな。


あたしがお腹すいたと言ったから、志木が病院食の手配をしてくれた。


「お前はほんとに、主従関係なんだな」

「主従関係って言い方やめてよ。志木は趣味であたしの世話焼いてるねん。な?」

「趣味じゃなかったら、杏様の執事なんてやってられませんよ」
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