愛は惜しみなく与う⑦
「ご、ごめん。盗み聞きとかちゃうで?ただ2人が話し込んでるから待っとく方がええと思って」


敦子はアワアワと両手を振る
前と変わらないその姿
あたし達の癒しキャラや。


「みんな、ありがとう。あたし動かれへんから近くに来て」


そういうと、スススっと3人が近くに来てくれた。大好きな3人


「傷は?」

「見ての通り、重傷や。我ながら、やらかした感がある」


ぐるぐる巻きの頭に、固定されて吊られた脚。そして点滴に繋がりまくられて動かせない腕

重傷やろ。


「生きて帰ってきてくれたからいいよ。ただね、あんたもう19よ?来年20になるのよ?20になる女がそんな傷をつくらないの!!」


「いたい!」


美奈子にオデコにデコピンをされた。
そうか。あたしもう、そんな歳か


「いい歳した女が、窓から飛び降りたり、頭かち割ったり、そんなんしねーんだぞ?わかってっか?」


「そーよ!現役のドヤンキーやヤクザでさえも、そんな傷にならないわよ!」


……いや、ごもっともやわ

でも


「3人が居てくれてよかった。サトルの所に連れてってくれてありがとう」
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