愛は惜しみなく与う⑦
新は少し嫌そうな顔をして俺を見る
そんな顔しないで?褒めてるんだから
「泉!俺も正直何もしたくなくてモヤモヤしてるしイライラもしてるし、テストどころじゃないけどさ。切り替えるよ。なんか新の言葉を聞いたら一気にダサく感じてきた」
やめよう。うじうじするのは。
「てことで俺、新のおかげで吹っ切れたから、桜さんに告白してくるよ」
「「「「は?」」」」
お見事。綺麗に揃うじゃん。泉も反応したから調子戻ってきたかな。
「杏ちゃんが帰ってきた時に、大切な人ができたって報告したいんだ。相談乗ってもらってたからね。さ、後悔する前に動こーーっと」
ウインクをパチンとしてみんなに背を向けて教室を出る。
こんな状態で告白するもんじゃないと想ってたけど逆だ。
杏ちゃんに怒られちゃう。
もしうまくいけば、桜さんにも杏ちゃんの相談乗ってもらえるし話も聞いてもらえる。
自分から絶っていた人との繋がりを
ちゃんと自分で捕まえに行くから。
杏ちゃん、俺頑張るよ
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