愛は惜しみなく与う⑦
「俺もさ、杏が好きだけど、お前ほどじゃない」

「好きなら同じだろ。好きな度合いとかない。好きなもんは好きだろ」


何言ってんだお前と、泉に睨まれる

なんか違うんだよ


「俺さ、泉も好きなんだ」

「……きしょ。黙れよ」


いや、うん?そんな気持ち悪がるなよ!そういう好きじゃねーよ!あからさまに嫌な顔をする泉。
勘違いしてんじゃねーよ


「お前と杏が幸せそうにしてるのを、見てられるくらいの、好きなんだよ。わかるか?」

「分からない」


バサリと分からないと吐き捨てられる。



「なんていうんだろうな。普通嫉妬したり、自分のものにしたいとかあるじゃん。でも杏が選ぶ幸せなら受け入れれる。それに負け戦はしない。杏はお前に惚れてるよ」



見たらわかる

だって俺も杏が好きだからずっと見てたんだ。

小さな変化や表情


見てたよ



杏がたまに泉に向ける視線は、恋してる


泉は恋愛に対して正直経験もないし、女をバザバサと斬りまくってただけでちゃんと恋愛してるのは見たことない。

だから泉は気づかない


自惚れてもいいのに
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