愛は惜しみなく与う⑦
「杏が惚れてる?俺に?ありえない」
「何がありえないだよ。見ててわかるんだよ」
「お前に恋愛語られたくない」
「てめぇ!お前の方が女と付き合ったことねーだろ!!」
そして再び取っ組み合い。
これだけはゆずらねぇ。俺の方が恋愛偏差値は高い!!!
「お前、彼女できたことねーだろ!」
「うっせ!いらなかったんだよ!お前もまともな女居なかったろ」
「黙れよ!俺はちゃんと付き合ったりしてきた!泉だろ?付き合ったことないのは!」
くっそー
泉に髪の毛を鷲掴みにされる。泉は背が高いから頭に届かねぇ!
「てめぇ離せよ!」
「無理だ。むかつくから」
「は?ハゲたらどーすんだよ!お前離さないと、杏にお前の昔の女の話するからな!」
泉の手首を必死に握って抵抗して、とりあえず負かしてやろうと昔の話を引き摺り出した。
誰も触れない泉の過去
案の定泉は固まった
そして物凄く怖い顔で俺を睨んだ
「ぜってぇ言うなよ。杏に言ったらぶっ殺す」
ほらな
泉の弱点みっけ〜
俺はこの時、物凄く悪い顔をしてただろう。だってさ?泉の表情をこれだけ崩せる切り札があるからさ?