結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています
 並んでソファに座って飲んでいるんだけれど、さっきから時々アルバートの体がふらりと揺れて私の体に当たったりしている。
 ぐふ。いい感じですよ。
「ねぇ、アルバート、ちょっと聞きたいんですけど」
「なんでしょう、マイスイート天使」
 んん?
 リーリア様から、呼び方がちょっぴりおかしなことになっている。半分なんか夢でも見てるのかな?
 ちょうどいい。今ならもしかして記憶に残らないかもしれない。
 まぁ、残ったとしても別にいいよね。これくらいなら本心が聞けそう。
「アルバートはどんな女性が好みなの?」
 嫁探しの参考にさせてもらう。……できるだけアルバートの好みにそって、私とうまくやれそうな子を探さないと。
 そうよ。嫁がいやなんて言ってられないわ。
 孫をこの手に抱くことを想像する。
「僕の理想の女神はここに……」
 アルバートの手が伸び、私の頬に触れた。
 にゃ、にゃ、にゃ、にゃに?
「な、何を言っているのアルバート、えっと」
「ああ、なんて素敵なんだ……」
 アルバートが私の頬に手を添えたまま、とろんとした目で私の目を覗き込む。
 ……よ、酔ってるんだよね、これ……。
 酔っぱらったアルバートはいったい何を見ているの?というか、見ているのは私だけれど、何が見えているの?絶対なんか、私じゃないもの見えてるよね?
「貴方を僕のものにしていいですか?」
 どきっ。
 ちょ、アルバートってば、いくらこう、酒が入って幻か何か見てるにしても、なんて言うこと言うの!
 もしかしてけっこう女性には積極的?
 いや、だって、セバスの報告では、女性関係も身持ちが固いみたいなこと言ってたのに。
 うー、あ、もしかして、普段押さえてるから、お酒が入ると、こう、その分……アルバートも色々、本来なら、な年齢だし?
 こ、これは、いち早くフィアンセを見つけてあげないと。婚約者といちゃいちゃしたって誰も咎めやしないんだもの。
 って、好みを聞きそびれたわ。
 また今度素面の時にでも聞いた方がいいかしら?それともセバスに調査を頼む?
「愛しい人……。僕を受け入れてくれると頷いてください」
 アルバートが私の方へと体を寄せる。

「アルバート、えっと……」
 ど、どうしよう。
 受け入れるって何?
 アルバートはとっくに私の心に入り込んでる。
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