結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています
「い、いえ、あーの、今日はもっとざっくばらんなお話をしようかと思って。ほ、ほら、私ったらいつも領地の話ばかりで、えーっと、その……」
 メアリーに用意してもらったカートから飲み物をテーブルの上に移す。
「ふふ、ほら、用意してもらったのよ」
 じゃーんとテーブルの上にグラスを2つ。そしてお皿にチーズと干しフルーツと干し肉。
 それから、ワインボトル。
「お酒ですか?」
 そうです。ぐふふ。
 これが、私のスペシャル作戦。
 そう、お酒を飲ませれば、きっと眠くなる。
 お父様がそういうタイプだったもの。
 グラスに3杯も飲めば目がとろーんとして眠くなるタイプ。私は逆に、ボトル2本までは全然平気なタイプ。
「たまにはいいでしょう?」
 アルバートがちょっと困った顔を見せる。
「あら?もしかして、お酒は飲めない?……こんなことも知らないのね……。やっぱり、もう少し色々な話をした方がよさそうね……」
「いえ、あの、飲めます。少し……なら」
 アルバートがちょっと悔しそうな顔をする。
 そう。いいことを聞きましたわ。少ししか飲めないのね。
「ふふ、少しで構いませんわ。深酒などするつもりもありませんし、それに、お父様もグラス2~3杯しか飲めなかったんですよ?」
 よっしゃ!
 これで、酔わせて眠気を誘って、私が寝る前に寝てもらう。
 今日こそ、私の方が遅くまで起きている!
 なんて、完璧で素敵な作戦!
 あ、でも寝ちゃったときに、私はベッドまで運んであげられないから……えーっと……。
「アルバート、こちらでゆったりと座って飲みましょう?」
 3人掛けの大きなソファにアルバートを誘う。

 ここなら、もし万が一眠ってしまっても、十分寝られる広さのあるソファだから大丈夫……よね?それかねかけるタイミングでベッドに誘導した方がいいかしらね。上手くタイミングを見計らって誘導できるといいなぁ。
「あの、リーリア様は?お酒はお強いんですか?」
 ぎくっ。
 ここは、嘘も方便よね。
「私も似たようなものよ、2~3くらいで……」
 杯じゃなくて本だけどさ。
 アルバートがホッとした顔を見せる。
 さぁ、私より先に眠るがいい!
 グラス2杯飲んだところでアルバートの目がとろりとしてきた。
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