結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています
「分かったわ!私、結婚するわ!アルバートの噂がかき消されるくらい、スペシャルな結婚をすればいいってことね?……すごく嫌だけど、でもアルバートのためだもの、ルイードがいいんじゃないかしら?ルイードは腐っても王弟だし、結婚すれば、アルバートとの噂なんて消し飛んじゃうだろうしっ」
 メアリーが首を横に振った。
「消し飛ぶのはアルバート様の首でしょうね。俺のリーリアに手を出すものは生かしておけぬと、言いそうですし……王弟の顔色を見てアルバート様と親しく付き合おうという人はいなくなるでしょうねぇ」
 なぬ?
 ルイードめ!
 どこまでも迷惑な男よ!
「じゃぁ、誰と結婚したらいいの?誰でもいいってこと?ああ、油ぎらぎら禿げ散らかしただぶっちょエロじじぃ、公爵家の財産狙いのハゲタカ、女に公爵など務まるはずもないと散々コケにしたピー……。うぐぐ、身から出た錆、子供のため、いえ、子供にはできなかったアルバートのためとはいえ……」
 想像しただけで吐きそう。
 でも、仕方がないわ。
 耐えるの。
 だって、アルバートのためだもの。
「ううう、リーリアお嬢様、そこまでのお覚悟、見事でごさいます……」
 ハンナが松葉づえをつきながら目の前に来た。

「ハンナ!」
「お嬢様!」
 二人で手を取って、さめざめと涙を流そうとしたところで、セバスとメアリーの声が聞こえた。
「アルバート様ですよ」
「そうです、アルバート様と責任を取って結婚するんです」
 は?
 はいーーーー?
 今何と?
「リーリア様、まさか夜を共にしたアルバート様を、アルバート様が不名誉な噂を立てられると分かっていて責任を取らないということはありませんよね?」
 セバスの言葉に、脳みそが回らない。
「そうですよ、お嬢様。昔から、きちんとした人間ならば、責任を取って結婚をすると決まっています」
 た、確かに、なんか恋愛小説とかでそういうのあった。
 でも、それって、男性が女性に対して責任をとる。結婚しようとかいうやつじゃなかったかしら?
 あら?
 男性だろうが女性だろうが、上の立場にあるものは下の立場にある者への責任は取るべきってことかしら?
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