片桐くんの愛は意外にも一途でした
「お待たせしました」


「わぁ〜、ありがとうございます。
……ん〜!美味しい!」


テーブルに置かれたケーキ。私はパクッとケーキを頬張る。


右頬に手を当てて、甘さと幸せを感じる。


ちなみにケーキは4〜5つほど。


1人で食べるには多いかもしれない。でも、私にとっては至って普通の量。だって、お店のケーキはどれも絶品だし。


この場所は学校からも離れている。そのせいか、いつからか開放感を感じたいがためにいつも通りの私に戻るようになった。


……まぁ、こんな姿は神楽にですら見せたことがない。学校の人には見られたくないし。


放課後に大量のケーキを食べている姿なんて、しかもそれが1人なら尚更。


はたからみたら寂しいやつか、失恋したてでヤケ食いしてる女子に見られちゃうし。


なにかと理由をつけて来るから、今ではすっかり店の常連になってしまった。
ちなみに寄り道も禁止されていない。


(1人の時間って落ち着く……)


紅茶を飲みながら、ホッと一息。
ケーキはあっという間に完食してしまった。
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