片桐くんの愛は意外にも一途でした
放課後。


「悪い。今日はサッカー部に頼まれてて」


「いつも大変そうだね。神楽、頑張って」


「ありがとな、頑張る。雨音は帰り道、気をつけろよ?じゃあ、また明日な」


「うん、また明日」


神楽は運動神経も抜群のせいか、色んな部活から助っ人を頼まれている。


だから、こうして不定期だがお呼びがかかったら、部活に参加する。


部活がない日は大体いつも一緒に帰っている。神楽は、私が1人だと心配らしい。少し過保護すぎる気もするけど。


(今日は成績も発表されたし、例の場所に行こう)


私は校門を出ると同時に、メガネを外し、3つ編みをほどく。


私の通ってる高校は校則は緩く、基本的にどんな髪型でも注意されない。けど、学校では気を抜きたくないし。


学校から出たら、私は普通の女子高生に戻るというわけだ。


今から向かう場所は、私にとって大好きなところ。


「いらっしゃいませ。1名様ですか?」


「はい」


「いつもありがとうございます。こちらの席へどうぞ」


そう、私のお気に入りの場所。それは、カフェ。


学校でなにか頑張ったことがあると、自分へのご褒美としてケーキを食べる。
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