恋愛イデアル続編
数学という学問は古代ギリシャから。
[数学という学問は古代ギリシャから]

忙しい夜だ。長月遥は家事や読書、妹のケットの勉強の面倒を見ないといけない。

「お姉ちゃん、ここわからなーい」とケット。台所の机で。
「えーと、かけ算をして、因数分解をすればいいのですよ」
「ねえ、姉ちゃんさ、なぜ因数分解をするの」
「それは数がある種の法則性をもっていることを実感させるためです。
たとえば、プログラムで因数分解などで培った数学の法則性や数の感覚への理解は役にたつのです」
「数の感覚って?」
「それは、いわゆる数感(すうかん)と呼ばれるものです。義務教育の数学教育は、数学の感覚を鍛えるものなのです」
「数感ねえ」
「いわゆる、イデアの世界があるのだと確かめるために、数学はかつてはありました。実用的な算術とは異なる、学問としての数学は古代ギリシャの哲学から始まりるのです」
夜は冷えていく。しんしんと星がまたたく気配を長月遥は感じた。

読書をして、数学史の本を読もう、とそう長月遥は考えたのです。
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