恋愛イデアル続編
ジェネレータ
[ジェネレータ]

イデアルは音楽の音質を上げる作業に没頭していた。

より正しい位置に音階を調整することで響きがクリアになる。なぜなら平均律はわずかに和音の響きがずれているのだから。そのため個々の音の高さを手作業でソフトウェアを通じて修正し、くわえて個々の音の音量や位置に変化をくわえることでデータを複雑なものとする-これはリアルがそれだけ複雑になっているためだ-。

したがってパソコンとはものづくりにとり重要な機器だった。ある一定以上の品質の音楽はパソコンなどによるソフトウェアを経由し作り出されるし場合によってははるかに高性能な専用機や楽器を用いる場合があった。

逆にいえばパソコンやスマホ、楽器などを経由しCDを上回る高音質を取り出すことも可能だった。
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