恋愛イデアル続編
翠星石と錬金術。
[ラベンダー]。

イデアルと長月遥は偶然魔女の歴史に興味をもつ。

自然を尊び、自然を深く見つめた存在。

「そういえばラベンダー育ててるんです」と長月遥。

「ラベンダー育ててる。どんな感じだ」とイデアル。
「いい香りがします。
化学の授業で精油づくりをしましたね」
「そうだなあ。去年だった」
「水蒸気蒸留法で、花々からは精油がとれ、美しい自然はわれわれに開いているものですよ」
「同様のことは人間の心理や社会にも言える。
翠星石、薔薇乙女にしてもそうなのだが、錬金術とは人間の良心を取り出す技術でもあった」
「神秘主義ですね」
「科学は近代化された反面、神秘主義がもたらす生命の高揚を忘れているかもしれない」
「詩(ファーベル)の真髄ですね」
「そうだ。多くの良心の根源は(ファーベル)なのだ。同時に詩によって世は音に満ちていく」
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