君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「あ!お帰りぃ、花菜ちゃん!」



席に戻ると、綾香が満面の笑みを浮かべて私たちを迎えてくれた。



「…あれ?中野くんは?」


「一緒に…って、あれ?」



綾香の指摘に振り返ると、そこに中野 神弥の姿はなく。


あるのは「R」の楽曲に聞き入っている観客の姿のみ。


「どこ行ったんだろ…」



見回しても、何処にも見当たらない。



「花菜っぺ!早く座んないと!」


「あ、ちょっと、瑛ちゃん!」



瑛ちゃんに腕を引かれ、席に着く。


もちろん、隣にも中野 神弥の姿はなかった。


< 154 / 385 >

この作品をシェア

pagetop