君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「【綾香ネェ、何飲む?やっぱり甘々ホットミルク?】」


「あ、うん。おねがーい。」



崇大がキッチンに居て、私たちはリビングのソファー。


何故か綾香がソファーの上に正座して、私を見つめている。



「…何?」


「話して?」


「何を?」


「泣いてた理由だよーぅ。」



綾香はぷぅっと頬を膨らませる。



「それは…」



さっきのことを思い出して、また涙が溢れてくる。


気づかれたくなくて、心配させたくなくて、ギュッと唇を噛んで俯く。



「中野くんと何かあったの?馬鹿って言ってたけど…」


「あ…」



つい、口走っちゃったんだ。


これじゃあ、隠すことなんて…無理だ。



「……神弥がね、出ていけって…言ったんだって。」
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