君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
ヤダ。


何でこんな時間に起きてきてるの!?


いっつも8時前にならないと起きてこないのに…


時計に視線を移す。


…どうやって見ても時計は7時8分を示している。



「…崇大って誰。」



時計を見たまま固まって動かない私の耳に届いた声。


…え?


何、何?


中野 神弥が私のこと気にしてる…?



「昔の男…」



中野 神弥の含みのある言い方に何を言われるのか…無駄にドキドキする。



「…なわけないか。」


「な、何でよ!」


「だってあんた処女だし。あんたみたいなのと付き合う男は余程の物好きだよ。」



フンと鼻で笑う。


カッチーン!


と頭にきた。



「馬鹿にしないでよ!私にだって男の1人や2人いたんだから!」


「…ふーん。で?」


「で?って…」



どうしよう。


収集つかなくなっちゃった。
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