君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
―――「今日、中野くん来なかったねぇ…」



私の隣でさも残念そうに言う、綾香。



「綾香が残念に思ってるのは八神 架琉でしょ。」


「ふぇ!?」


「八神 架琉と中野 神弥は幼なじみだから。いつも一緒にいるから中野 神弥が来れば、学食に八神 架琉も来るって思って待ってたんでしょ?」



私の問いに、綾香はブンブンと頭を左右に振る。



「そんな、私、架琉くんに会いたくて待ってたけど…好きだなんて…」



………ちょっと綾香さん?


私…そこまで言ってないんですけど…



「確かに架琉くんの声はどストライクだし、あの冷たさも最高だけど…っ」



あぁ、ダメだ。


綾香は完全に自分の世界にいっちゃってる。



「はいはい。気をつけて帰りなよー。」



綾香の話に適当に相づちを打つと、迎えに来ていた綾香パパに綾香を任せる。
< 72 / 385 >

この作品をシェア

pagetop